熊猫
当時の世界の大企業は、金融機関を除けば、大量生産品を不特定多数の人に販売する製造業が中心でした。日本が強かった時代、世界の経済は製造業が動かしていたのです。だから韓国より成長できない国になった…日本が「物価が安くて便利な観光地」に成り下がった明らかな理由
なぜ日本経済の伸びは鈍化しているのか。ラジオパーソナリティの辛坊治郎、経済評論家の辛坊正記氏は「かつて日本は世界2位の経済大国で一人当たりGDPも世界第3位の豊かな国だったが、現在はシンガポールや香港だけでなく、韓国や台湾の後塵を拝している。その理由は、政府が“ある仕事”から逃げ続けてきたからだ」という――。
ところが、2026年3月末の景色は一変しています。トヨタがランク外となり、日本企業が消えました。
トップのエヌビディア以下、上位に並ぶのは、1989年当時は影も形もなかったデジタル技術で急成長した企業です。
自動車のテスラや、ディスカウントストアのウォルマートのように、伝統的な産業に属す企業もあります。しかし、そうした産業でも、上位に並ぶのは、デジタル技術で事業構造を変え、データ、ソフトウェア、プラットフォームを使って稼ぐ仕組みを作った企業です。
日本が停滞を続けるうちに、世界は大量生産型の製造業が引っ張る時代から、デジタル技術が価値を生む時代へ移ったのです。世界が全速力で走っている時に、日本だけが過去の成功体験を眺めながらゆっくり歩いていれば、相対的な順位が下がるのは当然です。
とはいえ、すべての数字が悪いわけではありません。ここ数年は物価も賃金も上がり、名目GDPも増えています。日経平均が高値を更新し、企業収益が過去最高を記録することもあります。数
それでも暮らしが楽にならないのは、成長エンジンが弱ったまま、数字だけを金融と財政で押し上げてきたからです。給料が上がっても、普通の生活に必要な所得はもっと高くなっている。社会保険料と税金も静かに増えている。だから多くの人が、「働いているのに楽にならない」と感じるのです。