熊猫
https://president.jp/articles/-/116401
■9割の女性が結婚しようと考えていた
それでも当時は、調査によれば9割の女性がいずれ結婚しようと考えていました。しかし、不安定雇用の人が増える中で未婚率は上昇。結果として、1975年生まれの女性の3割近くが生涯無子となっています。
こうした若者の雇用劣化に対し、国は2000年代に入っても有効な手を打ち出せませんでした。両立支援制度や保育サービスなどの充実には取り組み始めましたが、その恩恵を受けられたのは大企業の正社員などほんの一握りの人たちだけ。契約社員や派遣社員のほとんどは適用外でした。
非正規雇用の女性の多くは産休や育休も使えず、保育園への入所も難しかったのです。そんな状況では、妊娠は退職、すなわち無職・無収入になることを意味します。
いったん無職になってから出産後に再度求職活動をしようと思っても、そこにもまた高い壁がありました。保育園は仕事が決まってからでないと申請を受け付けてくれない、でも保育園が決まらないと内定が取れない。そんな地獄のようなループが待ち受けていたのです。
■非正規の人は「自己責任」なのか
国は、若者が正社員にならないのは意識の問題だと考えていたのです。正規の職に就かないのは自由でいたいからであり、結婚せず子どもを産まないのはわがままだからだと。
さらには、このとき問題とされたのは主に男性の雇用であり、女性は稼げなくても結婚すれば解決するからと考えられていました。就職氷河期、男性たちより弱い立場だった女性たちが受けた打撃はさらに大きく、非正規化や雇用の不安定化が一気に進んだのにもかかわらず軽視されたままだったのです。
国はこのころはすでに、結婚して子を産んでいた人たちへの支援は充実させようとしていました。しかし、その前段階にあった氷河期の若者の貧困に対しては支援策を打ちませんでした。職がないのは意識の問題で、自己責任だと捉えていたからです。