熊猫
https://gendai.media/articles/-/168732
シンガポールはもう十分にわかったから、と日本に帰りたいと言い出したのは夫だった。私は不安や迷い、子どもたちの将来のことなどいろいろ考えたけれど、結局はまた夫の船に乗るという冒険を選んだ。帰国もまた、シンガポールに移住した時とは違う種類の体力を消耗した。移住が勢いよく身を投げ出す冒険だったとしたら、帰国は何もかもを整えていく、まるで一度散らかしたものを、引き出しに一個一個収納していくような終わりの見えない作業だった。それでも、やはり中田敦彦というジェットコースターにやみつきな私がいるのも事実だ。
想像以上のものを与えてくれたシンガポールでの暮らし。
海外で暮らし、子育てする楽しさと難しさを教えてくれた5年間。
子どもたちも全身で異文化と多様性を享受していたけど、私自身にも価値観の変化と自分への自信を取り戻すかけがえのない経験を与えてくれた。間違いなくこの5年間は人生のハイライトになるだろう。日本に家族で戻ることは、正直迷いも不安もあるけれど、でも家族の全員が納得して出した結論だ。


