匿名さん
腐った魚のような臭い 原因は膣トリコモナス症 写真はイメージです (やだ、なんか臭い) ある日、入浴しようと下着を脱いだ咲子さん(仮名・42歳)は、もわっと鼻をつくような臭いに顔をしかめた。見ると、下着に黄緑色をした泡状のおりものが大量についている。風邪を引いた時に出るどろりとした鼻汁を泡立てたら、こんな感じになるかもしれない。 (うわぁ、腐った魚みたい) 試しに臭いをかいで嘔吐しそうになった。自分の体内から出たものだと思うと、泣きそうにもなる。 症状はおりものだけではなかった。膣内が熱を持ったようにピリピリし、あそこが尋常じゃなくかゆい。過去、何度か発症したことがあるカンジダと似ているが、カンジダはここまで強烈な臭いはなかったように思う。 (しょうがないなぁ、明日朝イチで婦人科を受診しよう) 臭いに敏感な人なら、きっとこの臭いにも気づくはず。様子を見ている猶予はないように思えた。 そして翌日。膣分泌物の顕微鏡検査を終えた医師は診断結果を述べた。 「膣トリコモナス症ですね」 咲子さんはきょとんとした。 「それって、性病ですよね。でも私、もう2年近く、セックスをしたことはないんですけど」 本当だった。夫の康哉さん(仮名・43歳)との仲は決して悪くなかったが、咲子さんが38歳で第2子を出産して以来、「なんとなく、そんな気にならない」状態が続き、今に至っていた。咲子さん的には、「自分はもう、生涯セックスから卒業してもいい気分」だったのだ。 それなのに、性感染症になるとは。 仮に、康哉さんが浮気をして、どこかでうつされてきたとしても、性交渉自体ないのだから、うつされるわけがない。 「心当たりがないんですか。では、ほかの感染経路かもしれません。感染者が利用したタオルや下着への接触、お風呂のイスなどを介して感染する場合もあるようですよ。うちの患者さんでもよく、まったく原因が分からないという方がおられます。本当に、性交渉だけでうつるものではないみたいですね」 医師はなだめるように言った。性交なしでも罹患する性病の意外な感染経路とは
医療機関を受診した妻は医師からある“性病”に感染していることを告げられ、きょとんとしてしまった。それもそのはず、妻は夫との“夜の生活”も浮気も皆無。まったく“心当たり”がないからである。その病気とは。