匿名さん
あなたは、水道水よりボトルで売られているミネラルウォーターが美味しくて安全な水だと思ってはいませんか?
しかし、双方を詳しく比較してみてみると、その認識はガラリとかわるかもしれません。
というのも、水道水の水質基準は51項目もあるのに対し、ミネラルウォーターは18項目と、水道水のほうが衛生面において圧倒的に多くの条件をクリアしているからです。
●ミネラルウォーターは水道水より製造基準がゆるい
たとえば、亜硝酸態窒素には血液の酸素運搬能力を奪う危険性があり、発ガン物質にもなるといわれているのですが、水道水にはこれが0.04 mg/リットル以下と、人体に害が及ばないレベルの基準が設けられています。
一方、ミネラルウォーターには亜硝酸態窒素についての基準そのものが設けられていません。現実的に0.04 mg/リットルを超える含有量のミネラルウォーターが市販されている例も、過去に民間団体の調べによって報告されています。
さらに、双方共通の項目であっても、次のように、水道水のほうがミネラルウォーターよりクリアすべき数値が(同等、もしくは)高く設定されています(単位:mg/リットル)。
鉛 ・・・ミネラルウォーター:0.05/水道水:0.01
フッ素 ・・・ミネラルウォーター:2.0/水道水:0.8
マンガン・・・ ミネラルウォーター:2.0/水道水:0.05
ヒ素 ・・・ミネラルウォーター:0.05/水道水:0.01
ホウ素 ・・・ミネラルウォーター:30.0/水道水:1.0
なお、水道水の安全基準数値は、「毎日2リットル」を一生飲み続けても健康被害がないというものですが、ミネラルウォーターの場合は、「毎日0.5リットル」という基準になっています。
●国産ミネラルウォーターのミネラル分は水道水と同等?
ヨーロッパと違い、日本の土壌は石灰岩が少なく、地下水が地下で滞留する時間も短いため、ミネラル成分がさほど多くは溶け込んでいません。
ちなみに、東京都の水道水のカルシウム量とマグネシウム量(=硬度)は60~100mg/リットルですが、市販のミネラルウォーターにはこの数値を下回るものも少なくありません。
水の美味しさは、ミネラル分と溶けている二酸化炭素や酸素によるといわれていますが、加熱すると気体の多くは抜けてしまいます。
つまり、含まれるミネラル分が同等なら、加熱したミネラルウォーターは水道水の湯冷ましと同じといっても過言ではないことになります。
実際、東京都の消費者センターでこの比較を調査したことがあったのですが、なんと、9割もの人達が水道水とミネラルウォーターの識別ができなかったそうです。
とはいえ、水道水はカルキ臭がするから苦手、という人は多いと思います。そのような場合は、水道水をヤカンに入れて沸騰させ、沸騰したら弱火にしてさらに5分沸かします。これでカルキ臭がとびます。ただし、塩素による消毒作用もなくなってしまうので、長時間の保存には向きません。
近年、水道水のトリハロメタンに発がん性物質があるとして問題視されていますが、これは10分ほど沸騰を続けると空中に飛んでいってしまいます。
もちろん、水道水の水質基準にはトリハロメタンも含まれているので、必要以上に心配することはありませんが、今はトリハロメタン除去に対応した浄水器もあるので、利用するのも一考です。
でもやっぱりミネラルウォーターがいいという人は、値段やネームバリューのみならず、殺菌処理されたものかどうか、硬度はどのくらいか等々、ラベル表示・内容もよーくチェックしてみてはいかがでしょうか。
国産ミネラルウォーターのミネラル分は水道水と同等? 水をめぐる真実 - ライブドアニュース
国産ミネラルウォーターと水道水を比較している。水道水のほうが衛生面において圧倒的に多くの条件をクリアしているとのこと。また日本の土壌では地下水に含まれるミネラル成分はさほど多くないそう

