匿名さん
ダイエットにいいというのは「グルテンフリーだと食後の血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌が減ることで脂肪を溜め込みにくくなり、体重減少効果がある」という理屈のようですが、これは事実誤認です。同じ穀類の白米に比べ、小麦からつくられるパンやうどんはグルテンなどのタンパク質量が白米よりも多いため、消化吸収に時間がかかり、食後の血糖値の上昇も緩やかであることがわかっています。ですから、よく「朝食にはパンより白米を」といわれますが、好きなほうを食べたらいいのです。「小麦は体に悪い」はウソだった…管理栄養士が「朝ごはんはパンより白米を」という説を信じないでという理由 もてはやされる「グルテンフリー食」の落とし穴
小麦のグルテンを除去した「グルテンフリー食」が健康にも美容にもいいと流行し、もはや定着しつつある。ところが、管理栄養士の成田崇信さんは「頭痛や倦怠感がなくなる、ダイエットや美肌にいいなどといわれているが根拠はない。セリアック病でないのなら、普通の食事をとったほうがいい」という――。
もう一つの小麦有害論は、小麦に含まれるグルテンは人間にとって有害であり、消化管症状を引き起こしたり、自閉症の原因になるという言説です。小麦のグルテンには麻薬のような依存性があり、体に悪いと分かっていても食べ続けてしまうという恐ろしい説もあります。これはグルテンが分解された時にできる物質の中に、神経にある麻薬などが結合する受容体(※1)に、麻薬などと同じく結合できるものがあることが発見されたことが元ネタと考えられます。でも、その後の検証で、グルテン分解物は脳神経まで移行しないことがわかり、現在はグルテンに麻薬様作用があるという「エキソルフィン説」は否定されています(※2)。グルテンによって腸が傷つき、有害物質が血中にばらまかれるとされる「リーキーガット説」も同じく根拠がありません。
セリアック病のような除去食が必要な人でもない限り、グルテンフリー食にはほとんどメリットがありません。