匿名さん
保護基準引き下げの影響を痛感したのは、娘が中学に入った頃だ。「最低限度の生活って何ですか」 生活保護受けるシングルマザー:朝日新聞デジタル
「控訴を棄却する」 裁判長が主文を言い渡すと、女性(54)は両手の拳を強く握りしめた。憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障している。それが脅かされたとき、裁判所が憲法のとりでとして守っ…
ある日、娘が泣きながら帰ってきた。お気に入りだった筆箱を見た同級生に「それ、百均やん」と言われた。娘は「貧乏をからかわれた」と感じた。いじめも重なり、不登校になった。高校1年で学校をやめ、以来4年間、家から出ることがなくなった。
娘は数年前、かかりつけの心療内科の医師から、躁(そう)と鬱(うつ)を繰り返す双極性障害と診断された。リストカット、オーバードーズ(薬の過剰摂取)。何度も自殺未遂を繰り返した。
今は息子が独り立ちし、20歳になった娘と2人暮らし。買い物に行くたびに物価高を感じる。卵はかつての倍の値段になった。入浴は2~3日に1回だけ。食事も1日2回。もともと食が細い娘は夜1回しか食べない。
世の中は大型連休だが、「子どもと旅行なんて行ったこともない」。憲法がうたう「健康で文化的な最低限度の生活」とはいったい何なのか。いまは疑わしく感じている。