匿名さん
福和名誉教授によると、過去は国会議事堂のようながっちりとした造りで、揺れに対して壁の強さで抵抗したが、現代のガラス張りのおしゃれなビルなどは「粘り」で抵抗するという。「巨大地震」がやってきたら、日本のタワマンや高層ビルは一瞬で崩壊してしまうのか?(宮地 美陽子)
首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火……過去にも起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか。
揺れが強度を超えても建物がすぐに倒れないよう「柱」で粘る。建物を変形させやすくしているため、ある程度構造的に損傷を受けることを前提としており、空間を確保し、人命を守る。
建物そのものが倒れなくても損傷によって“空間”が守られる「損傷許容型」に不安がないわけではない。新耐震基準の建築も損傷許容型が多く存在するが、地震によるダメージを受けた後にそのまま使い続けることができる保証はない。
補強できるレベルか、解体するレベルか、ビルの構造を知る設計者でなければ、損傷後の安全性を判断できない点も大きな課題だ。
■倒壊・崩壊の危険性がある建物
国交省の「避難路沿道建築物の耐震診断結果の都道府県別公表状況」(2023年3月31日現在)によると、避難路沿道建築物のうち倒壊又は崩壊する危険性が「低い」建築物の割合は、東京都42%、大阪府26%、神奈川県25%、愛知県22%で、危険性が「高い」または「ある」建築物が多く残されていることがわかる。
今から70年以上前に考えられた建築基準法には「建築基準は最低基準」と明記されている。南海トラフ巨大地震や首都直下地震の発生が高確率で予想される中、耐震基準は全国一律のままでよいのか。住み続けられ、使い続けられる建物が望まれる。揺れ方が倍も異なる地盤の特性を踏まえた対策と準備が求められている。