匿名さん
「終バスが行ったあと、どこからかやってくるんですよね。で、朝にはいなくなってるんです」所持金8円…渋谷区のバス停で殴り殺された女性が最後に見たもの | FRIDAYデジタル
早朝のバス停で殺された女性。安全な家を持たなかった彼女はオリンピックの旗のすぐ下で命を終えた。自助の国・日本で、激増する女性の自死。コロナ禍の困窮が胸に刺さる。事件の現場で、彼女が最後に見たものは…
「新宿のほうに向かって、キャリーバッグを引いて歩いてるのを何度か見ました。足取りはわりとしっかりしていて。おばあさんという感じじゃ、ぜんぜんなかった」(近くの住人)
22:44渋谷駅行の最終バスが通り過ぎた後のこの場所で、彼女が夜を過ごしていたことを知っている人は少なくなかった。
《中略》
オリンピックを歓迎する「TOKYO2020」のフラッグがはためく。昼間のバス停には、ひっきりなりにバスがやってくる。傍に7つの花束と、「あったかいはちみつレモン」と「焼酎の緑茶割り」と、マドレーヌが2つ、供えてあった。バス停横のイチョウは黄色く色づいて、首都高の高架とビルの間から青空が見えた。夜の間だけここを居場所にしていた彼女は、この風景を見ていなかったかもしれない。
11月16日の早朝、渋谷区幡ヶ谷のバス停で殴り殺された人。女性で、もう若くはなく、安全な家を持たなかった彼女は、守られなかった。彼女が最後に口にしたものはどんな味がしただろう。彼女が最後に見たのはどんな景色だっただろう。殺されていい命はひとつもない。