匿名さん
塩田氏が遺品整理をしていると、禁酒に関する本やカウンセリングの資料などが部屋の片隅でホコリをかぶっていた。女性はなんとか、アルコール依存症から立ち直ろうと1人で葛藤していたのだ。孤独死した30代女性の部屋に見た痛ましい現実 | 災害・事件・裁判
わが国では、年間約3万人が孤独死している。そこで浮かび上がるのは、人生でつまずき、崩れ落ちてしまった人々の姿だ。男性に比べて数は少ないが、女性の孤独死はとくに痛ましいケースが多い。若年層女性の孤独死…
女性が亡くなっていた場所は、トイレだった。便器と床のタイルには、大量吐血した生々しい痕跡があり、バケツをひっくり返したような、塩田氏も驚くほどの量だった。
その血痕は、トイレから冷蔵庫までつながっていて、苦しくてのたうち回り、玄関まで助けを求めようとしたのだろう。
部屋の机には、多くの薬が置かれてあり、診断書には、「肝硬変」と書かれてあった。
棚の片隅には、母の日に娘からもらったと思われる似顔絵や、遊園地で娘と2人で写っている写真が、飾られてあった。
この女性のような現役世代の孤独死は決して珍しいことではない。
孤独死者の平均年齢は61歳で、さらに高齢者に満たない年齢での孤独死の割合は、5割を超え、20~50代は4割弱を占める。
わが国では1000万人が孤立状態にあり、団塊ジュニア、ゆとり世代が、実は最も孤立しているという世代でもある。