話題のラーメンが食べられるのは東急目黒線武蔵小山駅から徒歩5分、商店街のにぎわいを抜けた所にぽつりと現れる「麺や一途」。紺色の暖簾が目印です。
「麺屋一途」は、目黒雅叙園で洋食調理長を務めていた仲田一途さんをはじめとする3人のシェフが腕を振るうラーメンのお店。こちらでは、どのラーメンにもフランス料理のフォン・ド・ヴォーの技術で抽出したスープをベースに使っているのが特徴です。
仔牛の骨と鶏ガラ、丸鶏、香味野菜をじっくり煮込み、一昼夜寝かせることで深みのある味わいに仕上げたスープは、最後のひとすくいまで完食したくなるおいしさです。
醤油味の「卓(たく)」(800円)、味噌味の「有希(ゆうき)」(900円)など、9種類あるメニューの中で、数量限定の「衣利(えり)」(900円)は、女性が食べやすい味をイメージし、試行錯誤を重ねて作り上げたラーメンです。
ていねいに味付けられたひき肉とたまねぎなどの具が絡み合い、一味唐辛子のぴりっと感がほどよいアクセントに。スープはとろみがかっていますが、見た目の印象とは裏腹に、意外とさっぱりした味わい。添えられたオリジナルラー油を入れると、ガラッと印象が変わる魔法のスープです。
マイルドなカレー風味の「利(とし)」(800円)も人気。ほのかに香辛料が香るカレーソースに、北海道の生クリームを加えたスープはとてもまろやかなやさしい味わいです。
旨みを逃さず閉じ込める真空調理法で作られた鶏胸肉と豚バラ肉のトッピングもカレースープの味わいにベストマッチ。黄色いスープに、小松菜の緑がすっと一筋加わったどんぶりは見た目も美しく、フランス料理の粋を感じます。
女性1人で入るのにはちょっと勇気がいるラーメン屋さんが多い中、こちらのお店は女性1人でも気兼ねなく入れるおしゃれでシックな雰囲気が漂っています。
カウンター席からは厨房が見渡せ、テキパキと動くシェフのそつのない動きは、まるで臨場感あふれるパフォーマンスを見ているようです。
「麺や一途」ではラーメンのほかにも、鶏もも肉のコンフィをカリッと揚げた「しょう」(400円)や、蒸し野菜の「べじー」(200円)など、小皿料理も豊富。予約すればフレンチのフルコース(ランチ3000円~/ディナー5000円~)を食べることもできますよ。フランス料理とラーメンの新しい美食スタイルを体感してみてはいかがですか?
武蔵小山のラーメン店「麺や一途」に筆者が実際に足を運んだ。フォン・ド・ヴォーの技術で抽出したスープをベースに使っているのが特徴。フランス料理のようなスープで、ラーメンの固定概念が覆されるという